202003/27
2019年幕を閉めたチ・カ・ホの「つながろう展」この度集大成の冊子を作る事になりました。私は参加は3回くらいでしたけど
参加者にはチ・カ・ホの発展と今後のまちづくりとしての熱い思いがありました。
以下コメント文
地下歩行空間(現チ・カ・ホ)をオープンした頃を思い出してください。ガランとした空間、ただ広い地下道。豪雪の札幌の冬、寒さをしのぎながら安全に歩けるのよ、それはあるとありがたいわ、札幌駅と大通をつなぐ大きな大きな通路。
札幌の街の中には地下道が数カ所あります。大通とススキノをつなぐポールタウン、大通とテレビ塔をつなぐ地下道のオーロラタウンこの2つは店舗が地下道に並んでいて何処も人が賑わっている。テナントとして空室の時は見た事がない店舗のつながっている地下街。
店舗が無い札幌駅から北口、合同庁舎へつなぐ地下道。暗くて、広くて、床や壁に御影石やタイルなどの仕上げで作られて綺麗で立派だが人が少なくて一人で歩くには不安な気持ちになる地下道。
チ・カ・ホはどうなるのか???この広いスペースを盛り上げて行こうと札幌駅前通まちづくり株式会社は試行錯誤を重ねて様々なイベントなどを企画してきました。そしてこの「つながろう展」は地下歩行空間オープンから毎年一度開催され、2019年で9回になりました。
アーティストは空間を与えられた空間のなかで出来る事を精一杯に表現したいものですが初回は壁面にただ決められたサイズの枠の中での展示で、チ・カ・ホでやる意味が感じられないものでした。
たくさんの人が通り、つながれる、立ち寄れる、チ・カ・ホという空間で開催している意味が見えないまま、納得の行かない展示をしていました。ギャラリーではなくチ・カ・ホだからこそやれるのではないのかという可能性を秘めた空間と思っていました。次の年、ワークショップを行いました。歩く人達が気軽に立ち寄って参加してくれてこのような事が「つながろう展」の役割だと実感しました。
つながろう展の展示空間は壁側から数mだけで、通行の人の邪魔になるような場所ではありません。しかし地下歩行空間には車は通らないが道路という事で道路法が適用されるそうです。燃えない物で作らなくてはいけない、吊るしてはいけない、通行の邪魔をしてはいけない、向こう側が見えなくてはいけないなど展示についてはNGばかりでした。しかし、間違いなく安全と思える物は理解してもらって、一つ一つ許可をもらってきました。毎年会回を重ねるごとに新たな事に挑戦して「地下方向空間=道路」のハードルを少しずつ下げてきました。このような実例を作り、'このようにすることでしたら良いです。'という前例をたくさん作ってきました。「つながろう展」はチ・カ・ホの使い方の実験をもしてきたと言ってもおかしくありません。チ・カ・ホという市民や道民で作る新しい歩行空間としての場所づくりにつなげる事が出来たのは参加メンバーの諦めない、ものづくりがあったからに違いありません。今となっては、たくさんの展示やイベントが行われる楽しい歩行空間として、つながった事が「つながろう展」の大きな役割だったと思います。(文 日野桂子)
北海道・札幌で建築家がデザインにこだわった建築設計で
家族のライフスタイルを考察したオンリーワンの家づくり。
北海道・札幌市の注文住宅・新築・建築設計事務所
ヒノデザインアソシエイツ → http://www.hinodesign.com/
美味しい物とそれに合う日本酒とワインを愛する、ただの食いしん坊。食べては、「明日からダイエット」が口癖。