202401/24
マンションのリノベーションのお仕事をさせていただきました。
お施主様であるS様はリヤドロの人形やアートのコレクションが趣味の素敵なご夫婦です。
広い一軒家から面積が限られているマンションへ移り住む、60代ご夫婦のための「終の住処」を目指したリノベーションです。大切なものを選びながら、話し合いを重ねてまいりました。
マンションのリノベーションでは、新築のように自由なプランを作ることができません。そのため、厳しい制約の中でシビアに寸法を考慮し、最良の決断をすることが重要です。
今回は、隣合っていた2つの洋室の間仕切りをわずか20センチずらし、片方を寝室、片方をウォークインクローゼットに変更しました。これにより、ベッドの足側に十分なスペースが確保され、狭さに悩んでいた問題が解消されました。
人それぞれに大切なものやライフスタイルに合った寸法が必ず存在します。私はお客様との対話を通じて、それぞれの要望やニーズを1つ1つ見つけ出し、具体的な形にしていくことに喜びを感じています。それらの積み重ねが、お客様にとって特別な「その人ならではの空間」へと繋がるのではないかと考えております。
また、S様はベルナール・ビュッフェの2枚のリトグラフをお持ちでしたので、玄関と書斎に飾ることを提案しました。通常は白い壁が一般的ですが、私は白ではなく、あえて濃い色の壁を提案しました。お持ちのアート作品が寒色系でしたので、対比として、メキシコの建築家ルイス・バラガンの自邸に使われていたブーゲンビリアの花の色の壁を思い出し、取り入れました。
初めてご覧いただいた際、奥様は少し驚かれたようでしたが、今では「玄関に入るとみんながびっくりするの」と楽しんでいただいているようです。お客様の笑顔を見ると、私もほっと一安心です。これからも人の顔が見える、楽しく新しい空間を提案してまいりたいと思います。
北海道・札幌で建築家がデザインにこだわった建築設計で
家族のライフスタイルを考察したオンリーワンの家づくり。
北海道・札幌市の注文住宅・新築・建築設計事務所
ヒノデザインアソシエイツ → http://www.hinodesign.com/
美味しい物とそれに合う日本酒とワインを愛する、ただの食いしん坊。食べては、「明日からダイエット」が口癖。